恋愛相談(ヒカテメ)「好いた相手を振り向いてもらえない?」
相談があると、いつにも増して真剣な表情のヒカリが持ちかけてきたのは恋愛相談であった。
私に恋愛相談とは人選を間違えている気がしないでもないですが、これでも神官の端くれですし、人生の先輩として悩みぐらいは聞きましょう。
酒場の席で向かい合って座る。周りは銘々酔った客だらけで喧騒が心地よい。
少しばかり他人に聞いてほしくないお喋りをするにはちょうど良い場所だろう。
この席には酒は相応しくないと、珈琲を頼む。ここの主人が淹れる珈琲は、酒場であるにも関わらず絶品なのである。
「えぇ、と、それで……?」
ヒカリの話を聞き出してみる。
いわく、彼には好いた相手がいると言うがその相手はまったくヒカリのことが眼中にないのだと言う。自分は魅力がないのだろうかとヒカリは悩んでいた。
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