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    DuzB1b

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    DuzB1b

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    Δドラロナ
    文章練習を兼ねての会話文(加筆修正のうえ再掲)(支部に上げるときにはさらに加筆します)
    喪いたくないものを愛とよぶのならば

    窓ひとつない真っ白な空間の真っ白なベッドに真っ白な病院着を着せられて眠る真っ白な吸血鬼一匹

    ピピピと規則正しい音を奏でるベッドサイドモニタと吸血鬼の呼吸音

    「君・・・何やってるのさ」

    ****************

    「書け」
    「書けって、出す書類が間違ってるぜ。」
    「間違えてなどいないさ。いいから四の五言わず書きなさい。ああ、それともどこに記入すればいいか分からないかい?いいかい君の必要記入箇所は氏名の欄だけだよ」
    「バーか!書き方じゃねえつーの。土台が間違ってるっつってんだよ。」
    「何が?」
    「何がって・・・だってこれってさぁ」
    そういってこつんと書類最上部を男らしい指でなどりながら
    「婚姻届けって書いてあんじゃん」
    「そうだね。別に問題ないでしょ」
    「問題しかねぇよ」
    「590円で購入したブライダル雑誌付録の証書では信頼がおけないと?でもさぁいちいち市役所に言って証書もらうよりも手っ取り早くていいと思ったんだが。なんせコンビニで購入可能だし」
    「付録が悪いって言ってねぇよ。それ以前の問題だろ!?俺とお前が結婚する理由なんてねぇだろ?」
    「理由があればいいの?」
    「せめて多少の愛はあって欲しい。友愛でも親愛でもいいけど」
    「お花畑ルドめ。しょうがない・・・「愛してるよロナルド君」」
    「おもっくそ適当に言いやがった・・え~~~~~。そんな適当に結婚ダメだろ。ってかさ、お前の方こそ結婚に夢見てそうじゃん」
    「私が?」
    「違うか?少なくともお前は大切にしようと決めたヤツに尽くして喜ぶタイプ」
    「指差し確認はよしてくれたまえ。え?君はその視点で私を見てるのに、結婚届に記載させようとしている私は信じられない、と?」
    「うなじが綺麗な美少女がタイプおっさんじゃん」
    「・・・私の秘密の花園に入ったのか?」
    「黙秘権を行使します」
    「あ、違うなこれは。あ~~~後でへんな君には書類仕事マシマシしておくね」
    「へんなからだなんて言ってねぇだろ」
    「語るるに落ちてるよ」
    「えーん!へんなごめん!というわけで俺はへんなに謝りに行かねばだからな!」
    「君さぁ、敵前逃亡するにしても、もうちょっと上手くやれない?」
    「戦略的撤退は逃げじゃねえだろ?」
    「撤退って言っちゃってるじゃん。というか君さ、気づいてるんだろ?私がこれを出した意味。」

    「倒置法使って断定するの止めい。あ~~~~・・心配かけて、悪かったくれぇは思う」
    「ふむ。自身の所業は分かってると・・分かっていて未だにやってるんだと?」
    「紳士の仮面が外れてんぞ」
    「常に紳士面をしているヤツなんてただの阿呆か、狂気の享楽者だけだよ。で私はもう君には紳士面をするつもりはないよ」
    なんせ、配偶者になるんだから、と三白眼を鋭くさせつつ  は決定事項のように口にするソレに、言葉が通じているからこそ、こちらの意見を一切受け入れないドラルクの姿勢に「なん・・で?」なんて、三文芝居染みた言葉を吐き出せば「だって夫婦になるなら、そんな仮初の姿なんてとってられないでしょ」と返される。

    クッソ
    やっぱりさっきの段階で口車なんぞにのらずに戦略的撤回をしておけばよかったと心底思う

    「だ~か~ら、結婚する気はねぇtt
    「・・・君たちのお仲間のためでもかい?」
    「アイツらに何かしたらゆるさねぇ」
    「そんなことを言いつつ、君は私を傷つけることもできないんだろう?。自分の事はどれだけ傷ついてもいいと思っているくせに」
    ドンと細い指で作られた拳が机を叩いたと同時にアイツが苛立ちのままに立ち上がる
    「ばっ!折れるっつーの!!!」
    慌てて数センチ先にいたアイツに駆け寄って手を触れれば、赤くはなっているが折れていない様子にホッとする
    「そうやって、私が君の心配をするのは拒否する癖に、君は私の心配をするんだ」
    「それは、てめえが弱いから!」
    「君に比べれば誰でも弱いさ!違う・・言いたいのはそうじゃない・・・私だって君を大切にしたいんだよ・・ねぇ、ロナルド君『私と結婚してくれ』。甘えるな、君のためなんかじゃない。私が君と一緒に居たいんだよ。それを愛だと言ってもいいじゃないか、これが恋だと言ってもいいじゃないか。それが結婚を願う理由にはならないかい?」
    胸元に縋りついて、熱をもった細い指がマントをまるで溺れる者がわらを掴むように握ってくるソレ
    嗚呼、馬鹿だなあ
    お前、本当に頭がよすぎる方向でバカだなあ


    「俺が、『実験』されれば人類に有用なデータがとれるんだってさ」

    目が覚めたときに
    真っ白な空間に真っ青な顔でお前が飛び込んできたのを覚えている
    アレはわざと負荷を強くした『実験』だったから、倒れるのすら織り込み済みだったんだけどお前を呼ばれるのは痛手だったなあ

    お前、泣きそうな顔するんだもんなぁ


    「俺が『実験』されれば、お前の功績になるってさ」
    「そんなものを私が欲しがるとでも」
    「貰えるもんは貰っとけ」
    「君が傷つくのに?」
    「それにさ俺のデータで、画期的な敵性吸血鬼の退治方法が見つかるかもしれねえって」
    「君が傷つくのに?」
    「そのうえ、吸血鬼と人間との差異や誤差が分かればさ・・えっとお互いの病気の治療とかにも役立つって」
    「君が、傷つくのに?」
    「壊れかけのレィディオ?」
    「君が傷つくのに?」
    「あ~~~もう!会話をする気がねぇのな!」
    「会話をする気はあるよ。ただ全部ベースにあるのは君が「実験をされること」前提だとする話ならば私の答えは「君がきずつくのに」だけだね
    他の吸血鬼もほかの人間も、どうでもいい。私は「君が傷つく」のが嫌なんだよ」

    「・・・バカじゃん」
    「バカで結構。さぁ、納得してくれたのなら結婚しようじゃないか」
    「してねえよ。あ、こら、むって顔するんじゃねぇって・・結婚はしねぇ。絶対に。
    ていうか、てめえも気づいているんだろ?俺と結婚しても、実験は止められねえって事にさ」
    「・・止められるよ」
    「変なところで嘘は下手だよな・・・まぁいいけどさ。だから結婚なんて意味ねぇんだって」
    「意味ならあるよ」
    「へぇ。どんなだよ」
    「まずは実験内容を私が知る権利が得られる上に、不当だとすれば申し立てもできるさ。まぁ、それも無理だったときには、そうだな、いっそハネムーンと称して数十年単位で雲隠れしようか?」
    「仕事があんだろ」
    「まぁねぇ。とはいえ私は優秀だからなんとかなるけどね」

    さてどうする、と問うてくる三白眼にハングアップをしながら「今度から、てめえには事前に実験内容の確認をしてもらうって事でいいか?。結婚はしねぇけど」といえば

    「え~結婚が主題だったんだけどなぁ」とそいつは笑った


    *****
    実験動物(ロ君同意済)のロナ君と、それを止めたい隊長のお話


















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