クロノがマシロの看病をする話この熱が疲労によるものなのか、己への腹立たしさからくるものなのかわからない。それほど今の状態に苛立っていた。
「……最悪」
わかりやすく熱をだすのはいつぶりだろう。不摂生を自覚しながら体調を崩さないのをいい事に適当な生活を放置していた。体の強さを過信していたのが仇になったか。
今日は本当なら揃って新曲のリハをするはずだった。
よりにもよって、なんだってこの大事な時期に。
ため息をついて寝返りをうつと、室内に来客を知らせるチャイムの音が響く。どうせ新聞の営業か何かだろう。無視していればそのうちいなくなる……と、軽く考えていたのだが。
ピンポーン ピピピピンポーン
「……うるさ」
その業者は有り得ないくらいしつこかった。布団を頭から被り抵抗してみるものの、リズミカルなチャイム音が止むことはない。ただでさえ調子が悪いというのにこう連打されてはますます頭が痛くなる。あまりのしつこさに耐えきれなくなって、仕方なくベッドから這い出した。
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