獏「KKってさ、もしかして…獏だったりする?」
『……はぁ??』
寝る前に突然何を言い出すかと思ったが、暁人は真剣なようだ。
『なんでそう思ったんだよ』
「最近、夢を見なくなったんだよね」
『よく眠れてるってことだろ、いいことじゃねぇか』
「そうなんだけどさ…思い返してみれば、KKが帰ってきたころからなんだよね。それまでは良い夢よりも怖い夢ばっかり見ていたのに今ではパッタリ見なくなったんだ」
不思議だろ?と暁人が笑うと、KKもつられて笑う。
『獏か…ま、妖怪に例えられるってのは悪い気はしないねぇ』
「ははっ、妖怪なら何でもいいの?」
『バカ言え、どうせなら強くてカッコイイのがいいよ』
KKと会話していると、段々と眠くなってきて暁人の返答が曖昧になる。そろそろ寝た方がいいぞ、とKKが促すと暁人は眠気に抗うことなくそのままスヤスヤと寝始める。
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