ビャッケイリューJr.お前デカくなったなと頭を撫でられて、気持ち悪いからやめろと振り払うと普段何考えてんのかわかんねえ目が寂しいのか切ないのかよくわかんねえ感情をしている事に気付いた。ガキの成長はもっと全力で喜べ。このおっさんにそんなことを望むのはお門違いだろうけど。なんだよ、と俺が言う頃にはもう背を向けていた。勝手なおっさん。
しばらくして俺より年下が入ってきた。年の割に小せぇなと素直な感想を言うと飛びかかってきた生意気な奴。おっさんも小さぇなと頭を撫でて満足げ。きめぇと野次る俺の言葉は無視。風呂も入れてやるんだと。ああ、そうですかと俺はガキの顔を見て、それが睨んでいるように見えたようで睨み返してきた。んな態度取れんのも今のうちだぞとおっさんのタバコを掴んで外に出た。
エサやって風呂に入れて洗ってやって、そんで一緒に寝て、ふうんそうかデカくなってから呼ばれねえのはそういう事かと合点がいった。勝手なもんだ。最初からそうだった。ずっと勝手なおっさん。