MKB(マジでクソみたいなビ○チ)「ンんッ、とうごッ、せっくす、すきぃ…!!」
ああいいううええおおの独唱が終わり体内で脈打つ暖かさを堪能し終わったらもう終わり。なんて言うたっけ、とうごセックス好きーッ! おおおんいくううう。俺もいくっ…愛してる! 愛してる! ハイーッ終わり終わり何やアホみたいに、たばこたばこ……
「次いつ会える?」
「ン? ん……また連絡するわ」
「してくれたことないじゃん!!」
「女みたいな事言いなや。結構会ってるやんか。好きやで〜」
心にもないのは相手にも十分に伝わっていたであろう俺の愛の告白は、果たして何故か効いたらしく「もう登吾ったら」と何故か照れていた。キモいなこいつ、顔と身体とチンポが良くなかったらすぐ切るのに、しかしそこが良かったらどんなんでも割と許容してしまう俺という奴は。
着信のバイブに気付き、画面を見ると身バレ防止の『千』。覗き込んだ男が「シバーバ?」と言うのを軽く小突き洗面台の方へ歩き、少し落とした声で出る。
「柴です」
「柴さん、あの、今どこですか」
「今ちょっと客先や。何かあった?」
「いえ、家(便宜上)にいないので」
「ごめんごめん、あとで掛け直すわ」
「どれくらい掛かりそうです?」
「んー小一時間」
「そうですか」
電話はプチっと切れた。チヒロくん、18になっても柴さん柴さんて可愛いもんやで五割、いっつも男とおる時にメールか電話かしてくるなぁと思うのが百割「場所はわかってるんですよ」
「キャー」
そこにはチヒロくんがいた。いやいつ入ってきたんというと、鍵が空いてましたという。そういやほとんど挿入しながら部屋入ったからかけ忘れたかもなと俺と男は目を合わせた。男は誰、何この子かっこいいと言っている。そやろ。
「チヒロくんや」
「チヒロくんです。どういうお客様ですか?」
「「セフレです」」
俺と男は声を合わせる。好き好き愛してるってお互いわあわあ言ってた癖に、お前もセフレのつもりやったんかいと互いの顔を見て「は?」とまた声を合わせる。体の相性はピッタリやねん。チヒロくんは「なるほど」と頷く。
「そうですか。そこでして下さい」
「セックスですか」
「セックスです」
チヒロくんはその場に仁王立ちをしたまま俺たちにセックスを強要し、仕方なく始めたものの案外イケるねとなり、絶頂と共に俺達は見られるのも大好きなんだねという結論に達した。
「チヒロくん。この状態はいつ終わるんですか」
「行為が終われば」
「終わりました」
「お疲れ様でした。柴さんはこの人の事も父さんに似てると思ってるんですか?」
チヒロくんは涼しい顔でブッ込んできた。男は「は!?」と怒り出す。無理もない、俺がお前の事タイプやねんと口説き落としたからね。
「ちょっと登吾クン俺の事そんな風に?」
「ちゃうて俺の親父ちゃうて」
「その子のお父さんなら尚更キショいんだけど!」
「何がやねん! どこがやねん!!」
キショいと言われ声を荒げた俺に、男は「もういいわ。じゃあね」とさっさと部屋を出てしまった。
「チヒロくん振られたよ」
「何を俺のせいみたいに。諦めて下さい」
チヒロくんはいいから風呂入れ、と顎をしゃくって俺に命令し、綺麗になって出てきた俺をさっきの百倍くらい汚して、もういらんっていう俺に「父さんの方が良かったですって言って下さい」と言って、あうあう喘ぎながら六平だいちゅき、六平のちんぽだーいすきって言わされて、泣きながら帰りました。