【ジェリーフィッシュが解ける頃】Ⅴ 「めずらしいなお前がここに来るなんて」
仕事が終わり退勤する前に一服して帰ろうとエルヴィンは社内に設置してある喫煙スペースにひとりいた。
煙草を一本取り出して火をつけようとする前に、ふと人の気配がしたので入口に目を向ければリヴァイが静かに姿を見せたので小さく驚いた。
「帰る前に寄ってるかもと思ってな」
「読まれてたか」
エルヴィンが肩を小さくすかすとその様子を見ながらリヴァイは歩を進めてエルヴィンの横を通り過ぎ壁近くに設置してあるヒップバーに腰を乗せた。
「私に何か用が?」
「いや、特に」
どこか言い淀むように返したリヴァイの顔を見ようとエルヴィンは体を横に向けてテーブルに肘をつくように寄りかかった。
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