幸せな休日たまに、原が朝になってもテントから出てこないことがある。いつもは僕より早く起きて、コーヒーでも淹れているのに。
「原ー?おはよう、」
アプが原のテントを開ける
「んー、?」
原が眩しそうに目をきゅっと閉じる
「ほらー、起きて?コーヒー淹れたから、」
「ん、、あぷ?」
まだ寝ぼけた声で呟く
原が朝にこんな様子でぽやーっとしているのは、僕と2人の時だけだ。なんだか、警戒心の強い猫に懐かれたみたいな、そんな気持ちになる。
この幸せそうな、子猫のような顔。
原のふわふわとした猫っ毛をすっと掻き分けてみる。すると原がわずかに頭を動かした。
「へへ,」
すり、とアプの手に触れて原が少し笑う。まだ眠いのか、うつらうつらとしている。
「かわいい、、」
アプが言葉を溢す。
『、、、今日くらいはいいかな。』
原から少し離れた所ににそっと横になるアプ。
次に目が覚めた時には、淹れたてだったコーヒーはすっかり冷えてしまっていた。
その時にはもう原は起きていて、いつものちょっと不機嫌そうな顔をして木苺の葉でタバコを蒸していた。
「おはようー、原」
「ん、おはよう」
そっけなく返す原
のんびりと始まった日曜の朝。
僕の寝ていたすぐ横は、まだ少し温かかった