我が上の星は見えぬ手紙が届いた。
トイドーは胸を高鳴らせる。その内容は『ジーノ人形を作らせてもらえないか』というものだ。
差出人はマシュマロの国の次期国王、マロ。この宿屋に泊まった一行の1人で、今はトイドーの友人である。
トイドーはすぐに手紙の返事を書いた。
『ジーノ人形』。それは、トイドーが幼い頃よく遊んでいた木製の人形。そして、『ジーノ』は彼の憧れのヒーローだ。それは今も変わらない。
しかし時というものは、どうしたって人を、物を、変化させる。成長したトイドーは、いつだったか「ジーノごっこ」を卒業した。遊ばなくなったわけではないが、ジーノとの接し方が変わったのだ。
「ジーノがいつ帰って来てもいいように、綺麗にしておかないと。」
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