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    HAMUflower66

    @HAMUflower66

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    HAMUflower66

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    クリスマスにプレゼント交換する万至の話。

    #万至
    millionTo

    クリスマス「メリークリスマス〜」
    「はい、至さん」
    「お、手袋」
    「こないだ無くしたつってたから」
     万里の手って子ども体温だよねと、しょっちゅう暖を求めにくる至さんの手は夏でもひんやりとしてるのに今は冬。もはや氷みたいに冷たい。なのに買いに行くのめんどくさいとか言ってなくしたままにしていたから俺からのプレゼントは手袋にした。
    「大事にするわ。俺からはこれ」
    「あざっす…って菓子かよ」
     今年子どもから大人まで夢中になったアニメのクリスマスブーツだ。
    「コンビニで一番人気!ってポップついてたやつ」
    「…大事に食うわ」
     まぁ至さん年末の繁忙期とやらで忙しそうだったしな。なんとか目処がついたとは言ってたけど今日定時に帰って来れたのも奇跡的だ。俺が急にプレゼント交換したいって言ったから買いに行く暇もなかっただろう。わがまま聞いて用意してくれてただけありがたいと思わねば。たとえそれが子ども向け菓子ブーツで「万里、おまけについてるリンゴクさんのフィギュアちょうだい〜」なんて言われたとしても…

     ゲームしながらもらった菓子を食っていると至さんが、
    「んじゃちょっとクリスマスプレゼント置いてくるわ」
     と立ち上がった。手にプレゼントの包みを持っている。
    「行ってらー」
     春組ではカンパニーでのプレゼント交換の他に大人組が手分けして学生組の枕元にプレゼントを置くことにしているらしい。子どもっつっても最年少は高校生だけどな。それでも、サンタになるって楽しいんだよねと嬉しそうに笑う至さんを見れば、春組のやつらが羨ましくなってプレゼント交換を申し出ていた。
     もらったクリスマスブーツに入ってた菓子は普通にうまい。
    「ただいまー」
    「遅かったっすね」
    「ちょっとね。ついでにコーラ取ってきた」
     渡されたコーラを飲みながらゲームの続きをして、至さんが「そろそろ寝るから部屋に戻りな」と言ったのは日付が変わる頃だった。せっかくのクリスマス、オール共闘付き合うつもりだったけど連日の残業疲れもあるんだろう。至さんにしては早い時間だけどとれるうちに睡眠はとっといた方がいい。

     とりあえず至さんからもらったクリスマスブーツは兵頭に食われたら殴るだけじゃすまなくなりそうだからベッドに持ち込むことにしてロフトを上がる。
     横になって目を閉じてもまぶたの裏にチカチカ瞬くのはさっきまでのゲームの画面だ。なんとなく寝苦しくて、寝返りを打つと枕の下に何か違和感…なんかゴロゴロしてんな。
     なんだろう。掃除はちゃんとしてるし、夕方仮眠した時までは何もなかったはず。そう思いながら枕の下に手を入れると硬いものに触れた。
    「箱…?」
     スマホの明かりを頼りに箱を開ける。
    「……っ!」
     あの人!あの人……!

    「至さん!」
     ロフトを駆け降りてノックもそこそこに103号室に入ると寝ると言っていたはずの至さんはまだ起きてゲームをしていた。
    「メリークリスマス」
    「これ…」
    「したかったんでしょ、プレゼント交換。気に入らなかった?」
    「んなわけねーだろ。めっちゃ気に入ったわ」
    「良かった」
     至さんからの本当のクリスマスプレゼントはシンプルなゴールドの指輪だった。
    「だけど、それなら俺も至さんに渡したかった」
    「じゃあ、万里が大人になってまだ俺と一緒にいてもいいなと思ったらその時に渡してよ」
     あんたまだそんなこと言ってんの?さんざん好きだと告げて分からせてきたはずなのに。俺の気持ちなんかとっくに決まってる。
    「覚悟してこの指空けて待ってろよ」
     左手をとって薬指に約束のキスをすると、至さんは「生意気…」と目尻を染めて笑った。
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    HAMUflower66

    DONE同棲万至。
    ドラマで万里のラブシーンが放送された日の話。
    ほんとうのキス からだの芯まで凍りつきそうな深夜。
     俺は汗をかきながら、家まで二駅の距離をひたすら走っていた。

     客演先の劇団の舞台稽古が長引いて、そのあとああでもないこうでもないと言い合っていると、気がつけば日付けをまたいでいた。
     しまった。
     もちろん終電は逃している。
     みんな演技への熱があるがゆえ、こんなことはしょっちゅうだし、演者とスタッフたちはこの後飲みに行くと言っていて、普段なら俺も飲み会に参加して始発を待つのだが、それよりも今日は一刻も早く帰りたい理由があった。

     今夜は俺が出るドラマの放映日なのだ。
     観てないかもしれない。けど観てるだろうなという確信がある。
     至さんは俺の仕事に無関心なように見えて、実はつぶさにチェックしてくれてるらしい。というのはたまたま掃除中に落ちてきたせいで見てしまったスクラップブックで知った。およそきれいとは言い難い至さんの字で【国宝】とタイトルが書かれたスクラップブックの中身はすべて俺が載った雑誌の切り抜きで、カラーだけじゃなく白黒の写真も、文字だけのごくごく小さなインタビュー記事まで、マスキングテープで丁寧に貼られていた。これだけ集めるとなるとけっこうな労力と金額になるはずだ。ゲームが一番でゲームの課金のために働いてると豪語してるのに、俺に隠れて俺の写真をこそこそコレクションする至さんかわいすぎる。
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    ほんとうのキス からだの芯まで凍りつきそうな深夜。
     俺は汗をかきながら、家まで二駅の距離をひたすら走っていた。

     客演先の劇団の舞台稽古が長引いて、そのあとああでもないこうでもないと言い合っていると、気がつけば日付けをまたいでいた。
     しまった。
     もちろん終電は逃している。
     みんな演技への熱があるがゆえ、こんなことはしょっちゅうだし、演者とスタッフたちはこの後飲みに行くと言っていて、普段なら俺も飲み会に参加して始発を待つのだが、それよりも今日は一刻も早く帰りたい理由があった。

     今夜は俺が出るドラマの放映日なのだ。
     観てないかもしれない。けど観てるだろうなという確信がある。
     至さんは俺の仕事に無関心なように見えて、実はつぶさにチェックしてくれてるらしい。というのはたまたま掃除中に落ちてきたせいで見てしまったスクラップブックで知った。およそきれいとは言い難い至さんの字で【国宝】とタイトルが書かれたスクラップブックの中身はすべて俺が載った雑誌の切り抜きで、カラーだけじゃなく白黒の写真も、文字だけのごくごく小さなインタビュー記事まで、マスキングテープで丁寧に貼られていた。これだけ集めるとなるとけっこうな労力と金額になるはずだ。ゲームが一番でゲームの課金のために働いてると豪語してるのに、俺に隠れて俺の写真をこそこそコレクションする至さんかわいすぎる。
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