…という夢を見たのさ。「じゃあ二人共、気を付けて帰ってな」
「あぁ。円城寺さんをよろしく」
「そこのダッセーらーめん屋じゃねぇんだから、言われなくても大丈夫だっつーの!」
オマエなぁ、と続くタケルと漣の声が遠くで聞こえる。
「あー…迷惑かけて、すまん」
タクシーの中から声をかけると、とっとと帰りやがれ、気にしなくて大丈夫だ。気を付けて、と返事がくる。
情けない所を見せてしまったとうまく働かない頭でぼんやりと反省すると、自宅の住所を告げる声と共にドアが閉まった。
「師匠も…すんません…」
「いいよいいよ」
珍しい事もあるな、と笑いながらプロデューサーが隣でシートベルトを締めた。
確認した運転手がアクセルを踏み、窓の外の夜景が視界に現れては端へと流れていく。
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