雨と歌えばこめかみの辺りからじくじくと鈍い痛み頭全体へとが広がる。普段なら何ともない部屋の明かりが眩しくて、目を閉じた。視覚からの情報が無くなったせいか、外から聞こえる雨音がやけに大きく聞こえる。窓を叩く音が耳障りで仕方ない。気怠い体を動かして、シーツを頭まで被った。
雨はあまり好きじゃない。
「トラ〜……大丈夫か?」
扉の方からトウマの声が聞こえてくる。包まっていたシーツから顔だけ出して視線を向ける。ぺたぺたと歩いてベッドの縁へと腰掛けながら手に持っていたものを差し出される。
「ん、水と薬。飲めそうか?」
「……のむ、ありがとう。」
持ってきてもらった薬を飲もうと、何とか体を起こす。ズキリ、と一段と強い痛みが走った。思わず顔を顰める。パキ、薬を取り出して水と一緒に飲み下した。
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