『 』汚染 『 』
「Dブロック、魔法石回収します」
道門が無線でそう伝え、枝に守られている汚染された魔法石を取り出すために周りを切って行く。
旬は生存者が居ないか確認する為に周りを見に行くと言って何処かへ行ってしまった。
すると男の人がのそのそとコチラに助けを求めに来た。サポーターとして待機していた諸菱はその男に手を差し伸べ、どこか瓦礫の裏へと連れていく。
「――――?」
不思議に思った道門は魔法石を取るのを一旦やめ、その瓦礫へと近づくと、血飛沫が飛び散る。
「あ、道門さん、どうしました?」
諸菱は相手の頭を盾で殴り半分ほど潰れていた。道門は疑問に思い
「殺したんだ」
「はい、邪魔なので」
男の足を持ち、ズルズルと引きずって別の瓦礫下へと放り投げる。
「だって、水篠さんには不要でしょう?」
「………」
「水篠さんの荷になりそうなものは、置いて行く方針です」
「――――そう」
顔に血が残っている諸菱は道門に対して笑顔で答える。
「水篠さんには僕が居れば十分なので、他は要りませんしね、あ、僕はそろそろ行きますね」
手の甲で血を拭いて、帰ってきた旬に近づき笑顔を振りまく。その姿に道門はゾクゾクとした感覚が走り、顔をニヤつかせた。
「本物だな、アレは」