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    TT_Rex_Solo

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    白もが オメガバース 1話

    白もが オメガバース 1αはΩと番になれる。

    運命の番と出会えれば幸せだろう。

    そんなあり得もしない話に付き合うのは無能がする事だろう。

    最上の家系はαであった。学生の頃は周りにたくさんのΩが居たが、家族からは関わることを許されず、気にはなっていた子とはそれっきり。
    特に不自由なく生きていたが、ハンタースギルドを設立以降、多くの人達を関わる回数が増えた。
    例え相手がΩであったとしても、最上は顔一つ変えず接待していた。
    だがたった一人だけ、最上はあまり良い顔にはならなかった。

    「またですか、何度僕のギルドに来たら気が済むんですか?」

    イスに座り、ドアから入ってくる大柄の男、白虎ギルドのマスターである白川は最上のハンタースギルドに毎日通っていた。

    「なあ、本当にΩじゃないのか?」

    「αの人間に対して失礼ですね、生まれた時から僕はαですよ」

    「けど……」

    言葉を詰まらせ、変わりに鼻をスンスンと言わせながら最上に近づく白川に、頭を鷲掴みして押し退ける。

    「しつこい、煩い、僕に近づかないでください鬱陶しい」

    「ひでぇ言われようだな」

    白川は渋々と最上から離れ部屋を出て行こうとする。

    「本当に会いに来ただけなんですか?」

    「まぁ…そうだな……」

    「………その気持ちは受け取っておきますが、僕達はαですから」

    白川は苦笑いしながら「また明日な、」と言って出て行った。
    部屋の前に誰の気配もいなくなったのを確認すれば、最上はソファへ倒れるように落ちる。

    「……は……」

    ここ最近妙に身体がおかしいのは自覚していた。白川が会いに来るたびに心臓が煩く、近づかれるだけで顔が赤くなりそうになるばかり。
    今までは誰に対してもならなかった症状に最上は戸惑いを隠せなかった。

    「まるでΩの発情期みたいで……気持ち悪い……」

    自分はαだと言い聞かせ、どうにか自力で気持ちを落ち着かせる。まるであの頃を思い出すようで、そんな事で変になる自分が嫌いだった。

    「くそっ……」


    ―――――――――――


    あの後も白川は何度か訪問し、訪問後の興奮で身体が熱くなり1時間はソファの上で寝るの繰り返しをしていた。
    そうしてある日、S級とA級の合同レイド攻略の挑み解散間際に、白川が最上に近づいた。

    「今日はかなり荒れていたな、最上」

    「なんの、事ですか」

    A級ハンターは殆どαでそれ以外はβ。Ωは入る隙はないが、何故か最上は肩を激しく上下させていた。

    「おい、大丈夫か?」

    白川が最上の肩を触ろうとすると悲鳴を上げて白川から一歩下がった。
    最上の顔は赤く、汗もかいていた。どこか具合が悪いのかと思った白川は、最上を無理やり抱えた。

    「ひっ、お、下してください…!」

    「いいや、下さない、おとなしくしてろ」

    もがこうと抵抗するが、何故か上手く力が入らず、鼻に白川の匂いがくると、余計にふにゃりと体が言う事をきかない。
    連れていかれた場所は白川の家、寝室のベッドに下されると同時に体に刺激が走った。

    「ぁ………」

    「………最上?」






    続く
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