episode2 ソウタepisode2 ソウタ
「…え、俺が?人たらし?ゑ?????」
くっそだるい授業を終えた放課後。俺ら以外誰もいない教室で談笑していた時だった。ソウタが不意に先ほどの発言をしたのだ。
「人たらし?俺が?」
「お前以外に誰がいんだよ」
そう言って苦笑しているこいつ。こいつはユウとは違うタイプのイケメンで初対面で恥ずかしながら綺麗だなって思ったくらいだ。体は細く見えるけど俗に言う着痩せするタイプらしく、部活で鍛え引き締められた体は確かに目を見張るものだった。
「でも実際タイガ結構モテるくね?」
首を傾げて俺に聞くソウタ。くそ、こいつ自分の顔がいいからって…
「俺がモテるわけねーじゃん」
「そうか?」
「そうだよ!」
実際、俺はモテないわけではない。ただ、こいつらのモテようが異次元なだけだ。いつもだって放課後は女子に呼び出されていたりするし、授業終わった後にこいつらに会いに教室までくる女子もいるし。ただ不思議なことに、こいつらは同級生には全くと言っていいほどモテない。話しているとこも見るけど普通に世間話とかだし。
「なんでだろ」
心の中で言ったつもりの一言だったが、普通に口から出ていたようで。
「?どうした?」
顔のいいやつに顔を覗き込まれた。だから近距離のイケメンは耐性無いんだって!
「いや、お前ら先輩後輩にはモテんのに同学年は全くだよなって」
「あー……なんでだろ笑」
少し歯切れの悪い言葉が返ってきたことに首を傾げる。まあいずれモテだすのだろう。
「もったいねぇよな。ソウタっていざという時に頼れるしかっこいいのに」
少し不満げにそう告げると、なぜかソウタは顔を真っ赤にした。肌が白いから赤くなったのが見やすい。
「おまっ…そーゆーとこだぞ」
「?」
顔真っ赤にされて逆ギレされても…ま、とりあえず謝っといた。