僕のすきなひと
僕の好きな人は、友達のタイガ。何時から、とかは分からない。ただ、気づいた時にはもう好きになってた。最初は僕だって驚いた。まさか同性を好きになるなんて。でも、僕は同性が好きなんじゃなくてタイガが好きなんだ。そう思うと、自然と心が軽くなった。
でも、タイガって異性だけじゃなくて同性からもモテるんだよなぁ。
背が165 くらいしかないから小柄でかわいいし、何より顔が可愛い。目がおっきくてくりくりしてて、なんかそこら辺の女よりも可愛い顔してる。そんなに可愛くて優しいタイガは、モテないわけが無い。現に今もクラスの男子から口説かれているし。現在進行形で。
「ほんとかわいいよな」
「あー、このクラス可愛い子多いよな」
「いや、そうじゃなくて、」
「?ま、まさか」
「先生狙ってんのか…?」
「……そうだろうなとは思ったけどさ」
タイガは心配になるくらい天然で、加えて鈍感。現に今口説かれてることに気づいてない。最初は僕だって精一杯口説いたけど、そいつらと同じような対応だったから路線を変えた。
それは末っ子キャラだ。
「タイガぁ、おにぎり食べさせてぇ」
「またかよ〜ったく、ほら」
「やったぁ」
末っ子キャラというか、むしろぶりっ子。でもこれが思いのほかタイガに刺さったようで効果は抜群だった。
意識はされてないかもしれないけど、この路線なら確実にオトせる。
しかし、そう思ったのが間違いだったようだ。