白黒兄上の話後日談6副隊長に上着を返して昼過ぎに出立するのを見送った。
「さて、勉強するかぁ…。」
その内大きなパーティに呼ばれるのは分かり切っているから、それまでに貴族との会話が問題ない程度に出来なくてはならない。
弟が活躍し過ぎてしまっているから明らかに穴である俺は良い鴨だろう。父にも弟にも隙がないなら明らかな隙を狙うのは当然なのだから。狙うとすれば俺かリリーの二択だが、リリーは平民出だ。ツェアフェルトを貶めるというよりは、ヴェルナーの相手として相応しくないのではという方向での陥れ方になるだろう。
弟が傭兵隊に魔物を頼んでから半年。
無事に…無事に?魔物は繁殖し、少量ではあるが種の供給の目処が立ってきた。種子に当たる部分を加工しているのだが、何故かヴェルナーはあれをコーヒー豆と呼んでいる。
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