香水「新しい香り、付けてみたの。どう?」
「うーん……」
長椅子に座るダイの横に座って自信満々の笑顔で顔を近づけるレオナに、いい匂いだと思うけどちょっと強い気がするな、とダイは率直に思ったが、それをすぐに口にしない分昔よりも少し成長していた。
こういう時はどう言うのがいいかなあ。ちょっと考えてから自分の素直な気持ちを口にしてみた。
「おれ、レオナのいつもの匂いが好きなんだけど……」
レオナが頰を少しだけ膨らませた後、うーん、としかめ面をしたまま鷹揚に頷いた。
「ぎりぎり、合格」
「合格ってなんだよ」
そう言うとダイとレオナは同時にぷっと吹き出した。鼻をくっつけてくすくすと二人で笑う。
「あんまり好きじゃなかったかぁ。そんな気はしてたけど……」
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