放課後、トイレを済ませ足早に教室に向かう僕。なんせ今日は部活がないからタイガとたくさん話せるのだ。内心ウキウキしているのを出さないように冷静を装う僕。そして扉に手をかけた時、話し声が聞こえた。タイガとタイガを狙ってる男どもの声だった。
盗み聞きなんてしたくないけど、これは不可抗力
そう自分に言い聞かせ、聞き耳を立てる。
「最近、ユイめっちゃ甘えたじゃね?」
「あ、確かにそーだよな」
「可愛いもんなの?DKがDKを世話するって」
「うーん…可愛いんじゃないか?」
好きな人からの可愛い宣言に高鳴る胸。
「なんか弟みたいじゃん。」
鈍器で頭を殴られたような衝撃だった。確かに末っ子キャラ路線で行ったが、あんなに距離の近い兄弟なんているわけがない。
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