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やまぶき

好きなものを好きなように
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☆こそフォロ
ポイポイ 37

やまぶき

☆こそフォロ

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以前書き途中で投げた、学パロクレミン(と見せかけてクレスとアーチェさんの会話がメイン)です

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「クレス~、ミント先輩とはどこまでいったの?」
ニヤリと笑うクラスメイトの何気ない一言で、口に含んでいたスポーツドリンクを盛大に吹き出しそうになり、慌てて飲み込んだ。クラスメイトはむせる僕を横目に、チャームポイントであるポニーテールを揺らしながらねえねえと訊ねてくる。
「……アーチェには関係ないだろ」
「関係あるわよ!なにせあんたたちを引き合わせたのは他でもないこのあたし、アーチェさんなんだから!」
腰に手を当て、えっへんと胸を張るアーチェの堂々とした態度に、思わず頭を抱えた。確かにそうだ、僕とミントが出会うきっかけを作ったのは彼女なのだ。そう言われてしまうと言葉に詰まってしまうのだった。
「で、実際どこまでいったのよ?……まさかまだちゅーもしてないわけ?」
「ちゅ、ちゅーなんてできるわけないだろ!大体、手を繋いだことも無いのに……!」
「え~マジ!?クレス、あんたいつか逃げられるよ。ミント先輩はもうすぐ卒業だってのに」
そういえば、と窓のほうを見つめる。校舎の傍に植えてある木には葉一枚残っておらず、冷たい風が細い枝を揺らしている。冬の訪れを感じさせる季節になっていた。僕たちは2年生、ミントは3年生だ。あっという間に別れの季節はやって来て離ればなれになってしまうだろう。

僕とミントは一応恋人同士として付き合っていることになっている。けれど、僕からは大したアクションを起こさずここまで来てしまった。普通は男から攻めるものよ、とアーチェにはよく言われているが、そう言われた日にミントと顔を合わせると思考が渦を巻いてしまい、顔が熱くなって結局何もできないのがオチだった。
ミントはというと、僕が剣道の練習に励んでいるときに、おいしい差し入れを持ってきてくれることがあった。時折、ミントのほうから一緒に帰らないかと誘われたこともある。行動の起源のほとんどはミントだった。僕は何もしていない。ミントに限ってそんなことはないだろうと言い聞かせてきたが、アーチェの言う通り、このままでは卒業後の進路で素敵な人と結ばれてしまうのは間違いないだろう。

「……クレス、クレスってば」
「!な、なに」
「そこまで考え込むならもっと早くから行動しなさいよね、全く。……でもそんなクレスくんに朗報です!ささ、このチラシを見て」
アーチェが取り出したのはとあるイベントの広告だった。開催日は12月25日、内容は『街なかに建てられた大きなクリスマスツリーのもとで盛り上がりましょう』『夜にはイルミネーションも点灯します』とのことだ。広告にはきらびやかなツリーのもとに集う人々の絵が描かれていた。
「よく少女漫画に出てくるシチュエーションだからありきたりでつまんないなーって思ってたんだけど、二人が行くなら話は別かな。ほら、誘っておいで!」
つまらないも面白いもなにも、僕らはエンターテインメントの一種じゃないんだぞと言いかけた時には背中を押されていた。



 早いもので、クリスマスはすぐにやって来た。あの日「誘ってくるまで教室に入れないからな」とアーチェに言われてしまった僕は、仕方なくミントの在籍するクラスに向かった。そして教室でおしゃべりを楽しんでいたミントに声を掛け、約束をつけた。きっとあの時の僕は、顔から湯気が出るのではないかと思わせるくらい真っ赤になっていたことだろう。
「ごめん!お待たせ」
「クレスさん、こんにちは」
待ち合わせ場所に着くと、ミントが待っていた。母さんに服装や持ち物などを細かく指摘され、チェックしているうちに待ち合わせ時間ギリギリになってしまった。ミントのことだから、遅くとも15分前にはここにいただろう。彼女を待たせてしまった申し訳なさから、素直に詫びる。
「謝らないで。私もさっき来たばかりですから」
僕はミントに対して、いつも「ごめん」と言っている気がする。ミントの寛容さにただただ頭が上がらないだけなのだが、実際彼女自身はどう思っているのだろうか。この癖も治したほうがいいのかもしれない。
「さあ、行きましょう」
そして今日も、引っ張ってくれるのはミントなのだった。
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やまぶき

供養学パロ種運命
生徒会長のアスランが気に入らないシンくんのお話、になる予定だったもの
桜吹雪く4月のこと。新品の制服に身を包み、これから始まる高校生活への期待に胸を膨らませていた俺は、登校初日から校長室への呼び出しを食らってしまった。俺、なにかヤバいことでもしたか……?期待は不安と焦りに黒く塗り潰されていった。

「やあ、シン君」
おそるおそる扉を開くと、入学式の挨拶でひときわ目を引いていたギルバート・デュランダル校長が出迎えてくれる。黒色の長髪に整った顔立ちが、なんともいえない美しさを醸し出している。近くで見ると、なおさら圧倒されてしまった。
「は、はじめまして。ところで……俺、なんで呼び出されたんですか」
言葉を発してから、(一応)学校で一番偉い先生になんてぶしつけな態度を取ってしまったのだろうと、顔が真っ赤になる。するとデュランダル校長は笑って答えてくれたのだった。
「そう堅くならなくていい。君に説教するために呼んだわけではないのだよ。……少し、頼みたいことがあってね」



「なあ、レイ。なんでこんなこと引き受けちゃったんだろ、俺……」
「自分で決めたことだろう。最後まで責任を持つことだ」
レイの言葉に何も言い返すことができなかった俺は、気分を紛らすために辺りの風景を見渡す。新緑だった筈の木々の葉は深緑へと変わっていた。そんな季節の移り変わりにすら気付けないなんて、どれだけ疲れていたのだろう。

……高校生活は散々だった。同じく生徒会に所属するレイと、クラスメイトのヴィーノ、ヨウランと新しい友人ができたのはいい。入学式の日、デュランダル校長から頼まれたこと。これが俺の頭を悩ます一番の要因となっていた。
『生徒会……?』
『そう、君には生徒会に入ってほしいんだ』
デュランダル校長は、俺に生徒会に入るよう頼んできた。一体俺のどこをどう見て判断したのか全く分からないが、校長直々に頼まれたとなっては断るわけにもいかなかった。それに、生徒会という学校内のトップに選ばれた歓喜のあまり、引き受けてしまった。この先待ち受けている災難を、当時の俺は知る筈もなかったのだから。

別に、生徒会の活動自体は嫌いではない。全てはそう、生徒会長のあいつという存在のせいだった。

生徒会長アスラン・ザラ。この人の存在がとにかく鬱陶しくて仕方なかった。勉強もスポーツも万能にこなす優等生。生徒会の仕事もきちんとこなす。おまけに整った顔立ちと冷静沈着だと思わせる姿が女子達を虜にし、あちこちでキャーキャー言われている。まさに絵にかいたような生徒会長サマだ。

……しかし所詮表向きだけだ。優等生で仕事も素早くこなすのと、顔が良いのは百歩譲って認めてやる。けれど、冷静沈着と言われているが実際は幼馴染のことになると騒がしいし、なにより俺がなにかをするたびに難癖つけてきやがる。俺があの人につっかかっているからいけないんじゃないか?何を言う、俺は正論しか言ってない。レイだって「会長の言い方はきついものがある」とか言ってるし。だから俺は悪くない。絶対に、何がなんでも悪いのはあの人だ。1251 文字

やまぶき

供養手荒れの酷いルーティのために何かしてやれることはないかと慌てるスタンの話、だったもの
死者の目覚め使えないのに階段はドタドタ昇っていいのか、というミスを今更発見しました……
部屋に射し込む陽と、布団の柔らかさが心地よいらしくすやすやと寝入る青年の顔が思わず緩む。しかし、その穏やかな空間を打ち破るようにドタドタと苛立ちを含んだような階段を上る音が響く。

「ちょっとスタン、いつまで寝てるのよ!」
「!…ルーティ…?」

大きな音を立てて開かれた扉の音に驚いたのか一瞬スタンの頭が持ち上がったように見えた、がすぐに今起こったことが無かったかのように再び眠りに落ちていく。はあ、と溜め息をついたルーティは布団にくるまるスタンのもとへと近づいていく。だがいつも彼を起こすために使っているお玉とフライパンが、今日は手元に無い。

最近やけに冷え込んでしまったせいか、孤児院の子どもたちの間で風邪が流行した。全体的に見てだいぶ落ち着いてはきたものの、長引いて未だに寝込んでいる子もいた。
スタンの妹直伝の『死者の目覚め』は目の前ですやすやと眠る寝坊助な彼を一発で起こすことのできる強力な技だが、孤児院どころか外まで響くほどの強烈な音が鳴る。眠らせておかねばならない子どもがいるなか、その技をむやみやたらに使うわけにはいかない。

だがルーティは、冬だからこそできる対スタン用の強力な目覚ましを持っていたのだった。これなら子どもたちを起こしてしまう心配もない、そしてルーティ自身にも多少の利点があるのでとても重宝している。

「ほら起きなさい!」
「も~まだ朝…わああっ!?」

ルーティの手がスタンの首もとに当てられ、彼女の手の冷たさが直に伝わる。じわじわと全身に広がって行くその冷たさに目を覚まさざるを得ない状況になってしまい、スタンは飛び起きた。完全には開かない目でだがら、なんと目の前に立つルーティの姿を捉える。彼女は勝ち誇ったように満足げな笑みをこちらに向けていた。

「おはようルーティ…」
「おはよう、じゃないわよ!さっさと朝ごはん食べて仕事手伝って頂戴!」
「はーい…」

呑気なものね、とルーティは呆れるが、前よりも素直に布団から出るようになったスタンの姿に感心した。比較的温暖なフィッツガルド地方出身の彼に寒さというものは少し苦手と感じるところがあるらしい。
加えて、水仕事で自分でも驚くほどに冷えた手を、子供体温と勘違いするほどにあたたかいスタンに当てることにより多少あたためることができる。どちらにとっても利点のある手段だった。

ルーティの手の冷たさには起こされる度驚かされる。お陰で目覚めることができているもののやはり慣れるものではなかった。あくびをしながらスタンは自分の首の少し冷たくなってしまった部分に手を当てた。スタンは、自分の体温は子供みたいにあたたかいというのをルーティや子どもたちに散々言われていた。そこを利用されているのでは、と薄々気付いてはいたがルーティの満足げな笑顔を実は癒されてよろこんでいるのではないかと思い込んでいたスタンにとってそんなことはお構い無しだった。

しかし、いつもそんなに手が冷たいとなると自然と手も痛んでいくものだ。
自分の首から離したスタンの手には、少量だがなにやら赤いものが付着していた。一瞬ゴミかなにかと勘違いしたが、擦ってみても取れなく、逆にひろがってしまったというような様子しか見られない。

「血?」

別に首が痛いわけでもなく、と言って自分の手から出血している様子も見られない。となると、これは自身のものではないだろう。そして、先程の出来事と結び付けてしまえば原因を探るのは容易なことだった。1445 文字