おもち
TRAININGBriskovid。気の迷いです。ソファーの隣に座りジッと見つめて数十秒、全く気がつくことなく本を読み続けていると思っていたファルガーが瞬きをしてから不意にこちらを見上げ「何か言いたいことが?」と優しく笑った。俺は目を丸くして固まり、数秒経ってからようやく「なんでもないんだけど……」と呟いた。こてんと首を傾げる可愛らしい仕草も目に焼き付けて、もう一度口を開く。
「ただ、……ふーちゃん、可愛いなって思って」
「……サニー」
「うん、ごめん」
「ふ、なんで謝るんだよ」
可愛いなんて言って怒らせちゃったかなと思ったけど、本を閉じたファルガーは俺の背中に腕を回した。サイボーグパーツは硬く冷たいはずなのに、彼に触れられる時にそう感じることはほとんどないことが不思議だ。優しく抱き寄せられて、俺はそれ以上距離が近づいてしまわないようにファルガーの肩に手を乗せた。
1160「ただ、……ふーちゃん、可愛いなって思って」
「……サニー」
「うん、ごめん」
「ふ、なんで謝るんだよ」
可愛いなんて言って怒らせちゃったかなと思ったけど、本を閉じたファルガーは俺の背中に腕を回した。サイボーグパーツは硬く冷たいはずなのに、彼に触れられる時にそう感じることはほとんどないことが不思議だ。優しく抱き寄せられて、俺はそれ以上距離が近づいてしまわないようにファルガーの肩に手を乗せた。