浬-かいり-
DOODLEくらさわ(倉田×奥沢)傘へ誘うは迎え梅雨「わ、雨だ。どうしよう……」
今日は楽しみにしていたファンタジー小説の発売日だった。学校が終わってからすぐに本屋に寄って目当ての本を買って、ついでに他に何か面白そうな本が無いか店内を回って。
そうしてやっと帰ろうと自動ドアの先へ踏み出したら、勢いよく降る雨が私の帰路を遮っていた。今日降るって言ってたっけ。
(どうしよう、傘持ってないや……)
駅まではそこそこ歩かなきゃいけない。この雨の中じゃせっかく買った本が濡れてしまう。それだけは絶対にダメ。でも、ここでずっと待っててもいつ止むかなんて分からないし……。
「あれ、倉田さん?」
後ろで自動ドアの開く音と、知ってる声。振り返ってみれば、一つ年上の他校の先輩の姿。ハロー、ハッピーワールド! の美咲さんだ。首を傾げて私を不思議そうに見つめていた。
2289今日は楽しみにしていたファンタジー小説の発売日だった。学校が終わってからすぐに本屋に寄って目当ての本を買って、ついでに他に何か面白そうな本が無いか店内を回って。
そうしてやっと帰ろうと自動ドアの先へ踏み出したら、勢いよく降る雨が私の帰路を遮っていた。今日降るって言ってたっけ。
(どうしよう、傘持ってないや……)
駅まではそこそこ歩かなきゃいけない。この雨の中じゃせっかく買った本が濡れてしまう。それだけは絶対にダメ。でも、ここでずっと待っててもいつ止むかなんて分からないし……。
「あれ、倉田さん?」
後ろで自動ドアの開く音と、知ってる声。振り返ってみれば、一つ年上の他校の先輩の姿。ハロー、ハッピーワールド! の美咲さんだ。首を傾げて私を不思議そうに見つめていた。