しののめ
DOODLEケビ←スウ 再会前 伝承編のネタばっかりです「僕はケビンの親友だからね」
僕のヒーロー
花は散っていくものだ。
「おはよう。昨日は、病院の梅が綺麗に咲いていたよ」
一つ。
「……おはよう。おやすみかな、もう。また僕は……助けられなかった」
一つ。
「おはよう。今日は……少し遠くまで、花を探しに行こうかな」
また、一つ。
「それじゃあ、行ってきます、ケビン」
写真の中、暖かな笑顔を浮かべる彼にそう声をかけて、その青年──スウは、大きく息を吸い込んだ。
たった一人の親友、そして、スウにとって唯一で最高のヒーロー。それが、少年の目に映るケビンという男の全て。バスケが好き、流行りの音楽も好き、そして気になる女の子がいる。そんな、どこにでもいる普通の男の子。それが彼だった。まだ未熟で幼くて、暖かく明るい声で自分の名を呼ぶ少年の姿を、スウは一度も忘れたことはない。眩しくて、優しくて、隣で燦々と輝き続ける、太陽のような男。いつか、それを見つめる自分も灼き尽くされてしまいそうだ、なんて、幾度となく浮かんだ考えは、とうとう実現しなかった。本当に、あの太陽に身を焼かれていれば、何か変わっていたのだろうか。
1600花は散っていくものだ。
「おはよう。昨日は、病院の梅が綺麗に咲いていたよ」
一つ。
「……おはよう。おやすみかな、もう。また僕は……助けられなかった」
一つ。
「おはよう。今日は……少し遠くまで、花を探しに行こうかな」
また、一つ。
「それじゃあ、行ってきます、ケビン」
写真の中、暖かな笑顔を浮かべる彼にそう声をかけて、その青年──スウは、大きく息を吸い込んだ。
たった一人の親友、そして、スウにとって唯一で最高のヒーロー。それが、少年の目に映るケビンという男の全て。バスケが好き、流行りの音楽も好き、そして気になる女の子がいる。そんな、どこにでもいる普通の男の子。それが彼だった。まだ未熟で幼くて、暖かく明るい声で自分の名を呼ぶ少年の姿を、スウは一度も忘れたことはない。眩しくて、優しくて、隣で燦々と輝き続ける、太陽のような男。いつか、それを見つめる自分も灼き尽くされてしまいそうだ、なんて、幾度となく浮かんだ考えは、とうとう実現しなかった。本当に、あの太陽に身を焼かれていれば、何か変わっていたのだろうか。