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    snhk2501

    @snhk2501
    怪文書書くよ。捏造に次ぐ捏造なのでなんでも許せる人向け。
    最近(2022年年末ごろから)はバイクの弟と馬の兄貴のコンビにやられてそっちに突っ走りがち。
    无限&小黑の師弟の擬似親子に萌えてたのですが、
    藍渓鎮にて北河がダークホース過ぎて北河+无限沼に浸ってます。

    北河の口調が字幕組さんの翻訳を基にしているため、5/27発売の日本語翻訳版藍渓鎮での口調と異なりますことご容赦ください。
    タグ「Remedium」は今のところ无限に纏わる設定が共通してる連作です。

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    snhk2501

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    大爽さんと无限で怪文書。
    ちょっとサイバーパンクかも。
    衆生之門の読解がいい加減なまんま書いてます。
    无限が過去に妻子いたよ設定を使用してる(まあいつものアレですが)のでご注意を。

    Flashback memory plug


     バイザーを付け、大爽は衆生之門のテストデータの海へと潜った。妖精界のネットを介し広がるその海は、本来なら制御された中で一定の安全性を保っているはずである。が、テストプレイ中に大規模なシステム異常が発生していた。大爽が衆生之門のデータに潜るのは霊渓の卡里館長に頼まれての調査バイトであった。

     覚えのある強い気配に、大爽はデータを確認する。
    「无限……?」
    ──あんたまで捕われてたのかよ。
     テストプレイ中のプレイヤーが何名か、ログアウトしないまま昏睡状態になっているのは情報として知っていたが、その中に无限が入っているとは知らなかった。大爽は、无限の見ている幻影のフィールドの中に入った。
     四合院の一角と思しき部屋の中、无限がやや不器用に赤子を抱いていた。傍らの寝台に横たわる、やや髪の乱れた女性がふたりを微笑ましげに眺めている。无限は涙ぐみながらも、腕の中に収まった赤子を愛おしげに見つめていた。
    ──それが、あんたのとらわれていたい、もどりたい、過去〈ゆめ〉か。
     感動的なシーンで何よりだが、このままにしておくわけにはいかない。
    「无限、起きろ!」
     大爽は无限の肩を揺すった。
    「……大爽さん…?」
     无限がきょとんと目を瞬かせる。
    「……これは、どういうことですか」
    「衆生之門のシステム異常で、プレイヤーが本人の見たいものを読み取られて、作り出された幻影に捕われる現象がおきてる。あんたもそれで作られた幻影に捕われたんだ。俺はバイトでそのシステム異常の調査中」
    大爽の手短な説明に、どこまで把握したかは不明だが、无限は成る程と頷いた。
    「……そうでしたか。迂闊でした。しかし、何を考えているのでしょうね……卡里館長は……」
     无限がため息をつく。
    「どれほど悔やんだとしても……"もし"などというものは、ありはしない」
     己に言い聞かせるように、苦々しげに无限が呟いた。
     无限を取り巻いていたフィールドが、腕に抱いていた赤子も何もかもが、一瞬にして霧散する。彼の身に纏っていたゆったりとした白い漢服が、青いカットソーとジーンズというラフな洋装に変わった。たぶんこっちが設定したアバターなのだろう。
    ──流石、最強の執行人。
     大爽は内心口笛を吹いた。通常ならば衆生之門のシステム異常で起きた、この幻影の始末には、プログラムの技術やら知識やらが不可欠だ。故に大爽が必要操作を教えて状態を解除させるのが本来の筋である。ところが无限は概ね己の意思のみで幻影を振り解いてしまった。ツールを使わずに手入力でTASみたいな芸当をした、とでもいうべきか。
    「さっきのは、あんたの嫁さんと子供か」
     大爽はつぶやいた。
    ──あんたにも、人だった頃はあるんだな。
    「ええ。あれから何年もしないうちに二人とも亡くしましたが……。しかし、その記憶につけ込まれるとは思いませんでした」
     私はあの子の死に耐えられなかった、と静かに无限が目を伏せた。
    「まあ、仕方ないだろ。今回のはそういうのをプレイヤーから読み取って作動するトラップが発生してるみたいだしな。それに……誰しも、そういう戻りたい過去の記憶は持ち合わせてるもんだろ」
     それでもなお生きたのは、あんたの強さだろう、と大爽は静かに笑った。
    「そういう面においては、農民として生きていた、あなたの方が強かだろうと思いますが。流れ歩いた私と違い、何があろうと受け入れ、その地に生き続けるにはある種の強さが必要と、常々思います」
    「けど、耐えきれなかった。だから、"こう"なったんだろ。あんたも、俺も」
     大爽はある少女を思い出しながら言った。大爽が姪のように、妹のように、可愛がり見守っていたその少女は、彼女が背負わされた治癒系という、常ならざる宿命の犠牲となってしまった。大爽が転送の術を使える術者となったのは、その後のことである。
    「……そうですね。ありがとうございます」
    无限が寂しげに微笑んだ。
    「私は一旦ログアウトします。プロジェクトの担当者に伝える連絡事項はありますか」
     无限が顔を上げ大爽に尋ねた。お互い、まだすべきことはあるのだ。
    「えーと、報告自体は、あんたに起きたことの報告ができれば今のところは問題ない……が、心霊系の術が使える術者か妖精を調査スタッフに入れろって伝えてくれ。俺だけじゃ対応しきれん」
     大爽の返答に无限が頷いた。
    「わかりました」
     データの海が、何者かの手によって発生したトラブルによって、揺らいでいた。



    「……ところで、今あんた自力でログアウトできる?システム異常の影響でできないからこうなったんじゃないかと思うんだが」
    「……あ……」
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