夢結ぶ絆「負けないよ、パパ!」
「ふふふ、それはどうかなっ!とうっ」
久々に見たセンスがいいとは言えないマントをはためかせ、大袈裟な口上で屋根の上から落ちてきた悟飯は少年のような笑顔で楽しそうにはしゃいでいる。
自分のことのように羞恥する俺を他所に、同じデザインのサーモンピンクがはためいた。
「グレートサイヤマン1号!」
「2号もいるわよ!」
ばしっと効果音の鳴りそうな決めポーズをとったままたっぷりと静止する。
「…ビーデルまで…」
つぅ、と伝う冷や汗。
腕を組んだまま眺めていると首を埋めるように肩を持ち上げたパンがだんだんと地団駄を踏んだ。
「ゔ〜〜〜ずるい〜〜っ!ぴっころさん!」
「え?」
ばっと振り返って駆け寄ってきたパンに嫌な予感しかしない。
1914