Good Boy, Have a Good Dreams ——カリム・アルアジーム Good Boy, Have a Good Dreams ——カリム・アルアジーム
図書館の大扉が開き、外の明るさに思わず瞬きをして、
「危ない、ちゃんと足元を見ろ」
次の瞬間には、ジャミルに肘を掴まれてた。
アイツが借りた本を、何だろうって覗こうとした表紙はあいにく見えなかったけど、オレはにへっと笑っちまう。
オレを捕まえる手の大きさに。その指の強さと優しさに。そして、夢の中で出会った小さなジャミルと同じ表情に。
すぐにもステップの段差があることはわかってたけど、ありがとなって答えたらあとはもう、勝手にこぼれ出てくる鼻歌。
あたりまえみたいに週末が明けて、月曜の学園に登校して、授業を受けて、昼食のついでに図書館へ立ち寄る。ジャミルの手には、借りた本だけじゃなくオレと食べるために作ってくれた弁当もしっかりと提げられている。
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