チェンジカラー 澄んだ空に、黄金の星が煌めいている。
きらきらと砂粒を細かく砕いたかのような、小さな小さな黄金の輝き。
毎日せっせと届けた花は、今日で七本になった。
純白の花弁から溶け出したフロイドの魔法。それが今、アズールの双眸をゆっくりと侵食している。
「あはっ」
思わず漏れた声に、アズールの眉が僅かに跳ねた。瞬間、けぶる銀糸の下、揺らめく空色が瞬くたびに、黄金がより深くより濃く、その色を増していく。
「なんです? フロイ――」
不審に開いた口を塞ぎ、ふぅっと更に魔力を注げば、目の前の空はあっという間に黄金に染まる。
「っん」
ちゅっと啄んだ唇をまた吸って。淡く色付く頬へと手を這わし、掌全体で包み込む。親指で目尻をなぞると、銀色の睫毛がゆるりと落ちる。反対の手で腰を抱きながら顔を寄せれば、柔らかな銀糸が目元を擽った。その毛先は、鮮やかなコバルトブルーに染まりかけている。
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