しにたがりの話「お前は違う」
同じ顔、同じ声、同じ背丈。少女の首を絞めながら、はっきり告げる。
「お前は違う、あの子じゃない。あの子は死んだんだ」
もがき苦しむ少女の首を絞め上げながら、叫ぶ。力の込められた手は細く、このままでは首と共に折れてしまうのではないかとさえ思わせた。
「私の知らないところで、私が知らない場所で、あすかは死んだの、私を置いて逝ったの。貴女はいつもそう、私の事をおいて先に行ってしまう。なんでも私より出来て、だから飛び級して先に高校生になって」
少女の顔が歪む。
「私信じられなかったの、貴女が死んだって聞かされて、でも遺体は戻ってこなくて。貴女と離れて一年も経ってなかった、早く帰ってきてほしくて仕方なかった、なのに」
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