あおくてすっぱい 秋も深まり、冬の選抜に向けてオレたち湘北バスケ部は今日もしっかりと練習に励んでいた。
新キャプテンに就任した宮城は、始めのうちはキャプテンという立場に気負ってしまってやたらと厳しくしていた。元から備わっていたキャプテンシーが上手く発揮されずに迷走しまくっていて、ケンカしながらも伝え続けているうちになんとか本来の宮城の良さがでているチーム作りをするようになってきている。
練習を終え、へとへとの汗だく状態でロッカールームに向かうと、後輩たちが盛り上がっていた。いつもであれば、練習後はみんな疲れ果てていて、言葉少なに着替えて帰っていくのに、今日はどうしたのだろうかと気になった。
入ってきたオレに気づいた佐々岡が、お疲れ様ですとあいさつして、みんなが話を中断させた。
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