淡き芽生え(嗚呼、気に入らぬ。気に入らぬ。)
妖艶な見目かつ恵体の持ち主。蘆屋道満は周囲には悟らせぬがその内心は苛立っていた。
───カルデア内図書館。その部屋に紫式部こと藤原香子と清少納言こと清原諾子がコタツを囲み他愛ない会話をしていた。
「かおるっちはみかんのスジって取る派の人ー?」
「はい、お手は少々汚れますが」
「でもみかんのスジって栄養あって体にいいらしいぞー」
「まぁ!そうなのですか?」
「おう!むしろスジだけ食え!って…ところでさぁマンボちゃん。そのクソデカわがままボディでコタツで丸くなられると邪魔なんですけど~」
と諾子がコタツの一角に向かって言葉を放つ。
そこにその体躯を器用に丸めコタツからほぼ顔だけを出した道満がいた。
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