すれ違い「卒業したら僕は国へ帰る」
「―そうか せいせいすらぁ じゃぁな」
その日、俺とアイツとの関係は終わった。
お互い立場があるからなんとなくはわかっていた。所詮は学園に在籍している間だけの関係―それでもアイツとならって僅かに期待をしていたのは俺の勝手だ。
卒業式を終え何処からか視線を感じたが無視を決め込む。少しでもアイツの気配を感じたくなくて俺はすぐに国へ帰った。
そしてそのままよくも知りはしない雌と結婚させられた。
第二王子だからか派手な結婚式がなかったことは不幸中の幸いだったと思う。
結婚したからと言っても何か変わるわけではなかった。
チェカがいる為か、特に世継ぎをとせっつかれる訳でもなし。結婚したにも関わらず嫁となった雌の顔も見ることもない。何のための結婚だったんだ?と思わなくもないが煩わしい思いをしなくてすむのならそれに越したことはない。
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