TIÁMあたたかなミルク
週に一度の砂糖菓子
金の刺繍に絹のドレス
キラキラ輝く装飾品
そして大好きな人からのたっぷりの愛情
注いでくれる人を待っている
TIÁM(ティアム)
ペルシア語。はじめて”そのひと”に出逢ったとき瞳におどる輝きのこと。
雲ひとつなく晴れた空の下、どこからか小鳥のさえずりが聞こえる。ジャミルの憂うつな気分とは正反対の穏やかな朝だ。昨晩は、担当教授が笑顔で出した解かせるつもりが無い課題に四苦八苦し、ほとんど眠ることが出来なかった。苦労はしたがその分評価点は期待出来るだろう。
大通りから一本外れたこの脇道はアパートから大学へ向かう近道だ。今日は月曜、楽しい楽しい一週間の始まりだ。
花屋の前を通り過ぎ、眠気覚ましにカフェでコーヒーをテイクアウトする。舌先で苦味を転がし心を無にして歩いていると、裏道には到底相応しくない派手な店の前に差し掛かり、うっそりと目を細めた。
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