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    はるしき

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    反射的にあげてるので誤字脱字は順次訂正。

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    はるしき

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    Wave boxリクエストよりキスの日遼嘉

    ##遼嘉

     ひゅ、と双鉞が空を切り、刃にこびりついていた血が振り落とされる。
     戦場へ向かう曹操軍が遭遇した野党を相手にした。戦にも満たない小競り合いは、瞬きの間に終わった。
     さすが張遼様、と兵達がそわそわと浮き足立つ。これからの戦を鑑みるに、良い傾向では無い。叱咤をしなければいけない。張遼は顔を見合わせ囁き合う兵達に鋭い視線を向ける。
    「張遼殿」
     声が聞こえてきた。
     楽しげに弾んだ低く甘い声の主は、張遼が此度の戦で支持を仰ぐ軍師である郭嘉その人だった。
     張遼は声の方へ顔を向けると、郭嘉はすぅと目を細め張遼を見つめる。
    「郭嘉殿、露払いは」
     済みました、と言いかけた声が、途切れる。
     一歩、二歩と跳ぶように張遼の胸の中に近づいた郭嘉は、生真面目で堅い言葉ばかりを紡ぐ唇に、自らの唇を押しつける。
     乾燥してかさついた張遼の唇は郭嘉の唇を擽り、その感触に郭嘉はくすりと小さく笑う。
     張遼の薄い唇を、郭嘉は舌先で舐める。
     その熱い感触に驚いた張遼は、命に等しい双鉞を思わず取り落としてしまい、自由になった両手で郭嘉の肩を掴み引き離すように力を込める。
    「ッ、郭嘉殿、一体なにを……!」
     困惑する張遼を尻目に、郭嘉はぺろりと赤い舌で自らの唇を舐める。
    「あぁ、すみません。血が付いていたので」
     血が付いていた。張遼は血を流していない。ならば、野盗の血か。張遼はさっと血の気が引くのを感じた。
    「なりません郭嘉殿、なにが入っているかも分からない血を舐めるなど……!」
    「血が付いた張遼殿があまりにも美しくて、ついね」
    「つい、ではありません……!川が近くにあるので洗わなければ……!」
    「張遼殿は真面目ですね」
     目に見えて焦った様子を見せる張遼に、郭嘉はくすくすと唇に手を当て肩を揺らして笑う。
     郭嘉の細い手首を掴み川へ向かう張遼に引かれながら、郭嘉は残された兵達に「少し休憩しておいてほしい」とひらひら手を振って見せた。
     残された兵達は呆気にとられながらも、まぁ張遼様と郭嘉様ならいつものことか、と納得してみせ、各地面に腰を下ろし始めた。
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