封じた願いの、行先は。瞬きを、1つ。
見覚えのない目の前の光景に、目を白黒させる。
「…ここ、どこだ?」
呟くように出された声は、暗闇に消えていった。
…少しして、暗闇に目が慣れてきて。
ゆっくりを左右を見渡す。
今いるここは、ちょっとした広場のようだ。
辺りにはカラーコーンの山に、通行止めに使われる黄色と黒の棒。
工事現場で見かけるような、ショベルカーなんかも端に止まっている。
明かりが一切ないから、わかるのは本当にこれくらいだ。
…しかし、ここがどこなのか、本当にわからない。
セカイなのかとも思ったけれど、明かり代わりに使うために取り出そうとして、手元にないことに気づいた。
ここの来る前の記憶もぼんやりとしていて、うまく思い出すことができない。
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