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    726eis

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    鶯丸極(♀)が大包平に一目ぼれした話

    ##鶯丸
    ##大包平
    ##大鶯

    鶯の一目惚れある本丸に、それはそれはうつくしい鶯がやってきました。
    その鶯は波打つ絹のような髪に雪のように白い肌、誰もが見ほれる女の体を
    持っています。

    刀剣男士といわれる存在の中で女の身で生まれ落ちた鶯は、しかし男士に劣らぬ力を
    持ち合わせ、その美しさに並び立つ武勇でも名を馳せていました。

    彼女の周りにはいつでも誰かが控え、なにくれとなく世話を焼きます。
    何においても手を煩わせることなどなく、戦に出れば的確な指示と剣技で武功を
    立てる。その様はまるで女王様のようでした。

    しかし、ある日を境に彼女は変わってしまったのです。
    たった一人の男を一目見た瞬間から。

    そう、一目ぼれです。

    これは、負けなど知らない鶯の一世一代の恋のお話です。
    (と、振り回される男たちの奮闘記)


    玉崎本丸ではその日、緊急会議が開かれた。
    議題は、我らが女王の初恋について。

    主「本当なのか!?ほんとに、あの鶯が!?こ、こここ恋ぃ!?」
    一「主、まことに信じがたいんのですが・・この一期一振り確かにこの目で。」
    鶴「あの上気した頬、夢見るようなとろけた瞳、、あれはガチだじぇ・・・」
    主「ぅ、嘘、あの女王様が頬を染めるとか、主の俺だって返り血ぐらいしか・・
      本人がそう言ったの?勘違いということは、、」
    大「あいつが一目ぼれだとそういって相手に突進していったぞ。」
    主「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
    「「「主!!」」」


    主「ごめん、落ち着いた。それで、相手は、その何て・・?」 
    一「それが、いきなり言われても困ると断られまして」
    主「はぁ!?あの鶯に迫られて断るとかぁ!!誰!?相手は誰!?」
    大「落ち着け!また倒れるぞ!」
    主「ご、ごめん、す~~は~~、で、誰?」
    一鶴「「大包平(殿)」」

    主「お、お前ぇ!?」
    大「お、俺ではない!政府所属の俺だ。この大包平ではない、大包平だ!」
    一「いや、ややこしいですな。」
    鶴「あ~、聞いた話によるとだ!その大包平は政府所属のどっぐとれーなぁと
      いうやつだそうだ。」
    主「へぇ~~、似合うな!・・じゃなくて!え、どういう出会い?」
    鶴「いや、演練で刀剣男士と警護犬の公開訓練が行われててなぁ。どうやらそこで
      見初めたようだ。」
    一「我々が気づいたときには、もう告白真っ最中でして、、」
    主「・・・こ、告白ってどんな?」
    一「『惚れた、付き合ってくれ!』と」
    主「お、思い切りよぉ~~~~、え?出会ったその場で?」
    「「「その場で」」」」
    主「そんで断られたの?」
    「「「ええ/ああ」」」
    主「う、鶯は今どうしてるの?」
    鶴「乙女顔でその大包平とLINEしてるぜ」
    主「はぁーーーーーーーー!?!?!?」
    主「こと、断られたんじゃなかったのかよ!?!?!乙女顔???」
    鶴「いきなりで困るなら、後日また申し込む、とか言って連絡先交換していたぞ」
    主「え~~~、強引!さすがうちの女王様っ!」

    ーーその頃
    『おおかねひら』 17:23
    『うぐ』 17:25
    『いすまるだ』 17:26
    『おまえがすきだ』17:29
    『つきあってくれ』17:46

    慣れないタイピングでゆっくりと文字を綴る。
    画面に現れた文字は伝えたいことの一欠片にも満たないが
    それでも好いたあの人と二人きりのチャットルームがアプリに
    表示されている。それだけで心が弾むのを抑えられない。
    どうしたことだろう!大将首を前にしたってこんなことにはならなかったのに!

    18:42【今晩は。仕事中で見れなかった。遅くなってすまない。】
    18:43【今日は訓練中の犬がとびかかって悪かった。完全にこちらの不注意だ。
        貴女が対処してくれたおかげで、犬も大事にならず心より感謝申し上げる。
        だが、先程言ったように会ったばかりの貴女の気持ちに応えることは出来ない。
        聞き分けてくれ。】

    『おおかねひら』20:32
    『鶯まるだ』20:35
    『承知した』20:35

    20:37【すまない。】

    『つきあうのはいい、』20:39
    『あいたい』20:41

    20:42【いや、だから】

    『よくしりたい』20:42
    『承知したてほ』20:44
    『ちがう』20:45
    『しってほしい』20:46
    『そのあとまたもうしこむだめか』20:48

    21:01【それは、まずはお互いをよく知ってから、
        改めて告白するということだろうか?】

    『そうだ』21:01

    21:05【わかった。】
    21:05【そういうことなら、友人から始めよう。】
    21:05【まずはそれからだ。いいな?】

    『承知した』21:05

    21:06【では、よろしく頼む。】

    『おおかねひら』21:06
    『よろしくお願いいたします。』21:06
    『はなせてうれしい』21:10
    『すきだあいたい』21:11

    21:12【本当にわかっているのか??】
    21:12【後日、空いている日程を知らせる。それまで待て。】

    今日はなんて幸せなんだろう!生まれてきてよかった!
    夕飯の後、主が何やらいろいろ言って来たせいで返事が遅れてしまったが、
    また、大包平に会えるのだ!これほど喜ばしいことはない。
    明日朝一番に主に教えてやろう、大包平とは終わってなどいないと!
    ついでに、すまほの使い方を聞いてみよう。
    このままでは、いくら時間があっても俺の気持ちを伝えきれないのだから!


    ここは演練場。数多の本丸の男士達がお互いに切磋琢磨し交流を行う場。
    今日はここであるイベントが開催されていた。
    【警護犬公開訓練】政府要人や駆け出しの本丸、審神者の外出時等に刀剣男士だけで
    なく、訓練した警護犬を付けることで、戦闘以外での刀剣男士配置割合を減らし、戦力投入を目的とした施策の周知イベントだった。

    精悍な顔つきの犬たちが襲い掛かる仮装敵(職員)を威嚇し、とびかかり、
    警護対象の前に立ちはだかっている。
    別のところでは、刀剣男士と共に戦場を駆け、索敵をサポートを行う犬もいた。
    玉崎本丸の紅一点、鶯丸は演練の合間に通りがかりに、ほう、とイベント会場を
    眺めていた。
    隅に目をやると「Hand」「Go」「Sit」と聞きなれない言葉に合わせ、
    犬がきびきびと動いている。

    立ち止まっていた足元へ、拳大のポールがテンテンと転がってきた。
    鶯丸がかがんで拾い上げると視界の外からちゃっちゃっちゃっちゃという音が
    勢いよく近づいてくる。
    とっさに音の方向へ視線を走らせると同時に両の手は己の太刀の鯉口を切った。

    「止まれっ!」

    視界に入ったのは、こちらへ猛然と駆けてくる犬。あの音は、犬の鉤爪が床板に
    ぶつかる音か。
    今ここが出陣先の野山なら、向かってくるのが野犬であるなら、いざ知らず。
    しかし、今ここは審神者も多くいる演練場であった。むやみに獣の血で
    汚すわけにもいくまい。

    さて、先程の声はいったいどちらに向けたものだったのか。

    手にしていた柄から手を離し、鶯丸は飛び掛かってくる犬の直線上から身を
    ひねると同時に犬の首輪を取りくん、と引いた。
    もう片方の腕は胴体へ回し直線から曲線へ犬の勢いを殺し
    ついでに犬もひっくり返して、ぼすんと床へと着地させた。

    目をまん丸に見開いた犬は、きゅうんと一声鳴いて尻尾を股にしまった。
    おや、可愛らしい。これなら暴れはしないだろうと手を緩めると
    ずいぶん上から声がした。

    「大事ないかっ!?うちの犬がすまない!」

    見上げる間もなく、引き離され、引き寄せられて犬との間に割って入ってきたのは
    はっとするような赤。
    刃の煌めきを切り取ったような銀の瞳に柔らかな緑が映える。
    首輪を掴んでいたはずの手は、大きく温かい手のひらに包まれている。

    抱き込まれるような体勢からか、それともー
    鶯丸の瞳にはもう大包平しか映っていなかった。



    一「あ、鶯丸殿ー」
    鶯「惚れた、付き合ってくれ!」
    大「は?」
    一「は?」
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