とても美しい空だった とても美しい空だった。
天の川がはっきりと見える。
私はスマホで精一杯写真を撮ろうとした。
写真が一枚くらいは撮れた。
そして一眼レフでも撮ろうとした。
しかし、まもなく赤い霧が出てきて、見えなくなってしまった。
アールグレイの香る寝室。ベッドの中の彼。
私に背を向け、静かに寝ていた。彼の体は窓の方を向いている。
私も横になっていた。
私はそっと彼に近づき、彼に体を密着させた。
黒髪に赤い目の人外の彼。赤いネクタイが今日もカッコイイ。
彼は体をこちらに向け、私の手をみた。
私の手には、手袋があった。
「おお、ついにやったか!!」
手袋は魔法使いの印。手袋を天から授かったということは、魔法使いになれたということ。なのだが……
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