50 アル空三日前のこと。「この日の十八時、モンドの研究室に来て欲しい」とアルベドから頼まれた空は、定刻通り研究室前に到着していた。手土産にはアルベドが好んで食べるスイーツを選び、それを二人分持ってきている。
「アルベド、来たよー。入ってもいい?」
実験中というプレートはさがっていても、構わず入っておいでと最初に言われている。そのためノックをしつつ室内に向けて声を発するが、中からの応答はなく、扉も開かれないままだった。
珍しいな……と首を傾げた空は、途中スクロースと会った時に、どうやらこの数日間、実験の大詰めでほとんど寝ていない様子だと聞かされていたことを思い出す。効率を重視するアルベドでも、様々な事情があって無理をしていたのかもしれない。それならばおそらく、休憩のため睡眠をとっている可能性もある。
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