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    bell39399

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    bell39399

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    今日中に終わりそうもないので発想逆転、例により何も考えずに見切り発車決定!
    今日から一日一話、エレイン誕まで突っ走ります!(予定)
    サボらず続けられたらほめてください。

    #バンエレ誕2024

    レッツ夫婦旅行!バンの誕生日会、という名目の宴会は本人の誕生日の前日に盛大に行われた。何故前日だったのかは参加者もバンも知らない。そもそもその日の朝にランスロットが
    「おとうさんお誕生おめでと〜さぁ起きてホラ起きろ」
     などと言いながらバンを叩き起こし、仕方なくベッドからもぞもぞ這い出た時にはすっかり宴会の準備が整っていたという具合である。自分の誕生日を祝う、というよりも誕生日という概念そのものが未だに欠落しているバンにとって日付など大した問題ではないので「今日俺誕生日だったのか、わざわざありがてぇ♬」と納得したのだが、最大の謎はエレインが妙に終始キョトンとしていた事だった。
     とはいえ宴会は誕生日会にふさわしく、おおいに盛り上がった。いささか照れくささはあるが、皆に祝福されるというのは悪いものではない。古い顔なじみや七つの大罪の仲間も集まり、バンはとても素晴らしいひとときを過ごした。

    「オヤジ、ハッピーバースデー! さぁ起きてオラ起きろ」
     先日の楽しい宴会でご機嫌に酔いつぶれていたバンは、ランスロットに叩き起こされた。もぞもぞ起き上がりがながら、猛烈な既視感に襲われる。なんだか同じような体験を昨日の朝にしたような気がするが、まだ夢を見てんのか?
    「夢じゃねーから、ハイ起きて」
    「おー……」
     よたよたしつつ顔を洗い、幾分サッパリしたところで居間に行くともう食事の支度ができていた。宴会ではないが、やっぱり昨日と状況が似ている。エレインが妙な表情でそこに座っている点でも。
    「ハッピーバースデーオヤジ」
     家族皆が食卓につくと、ランスロットはもう一度言った。
    「お、おう……? メシ、お前が作ったのか? あんがとな♬」
    「母さんも一緒にな」
    「マジか、感激だぜ♬」
    「フフッ、ランスのアイディアよ。お誕生日おめでと、バン!」
     じゃがいも入りのスクランブルエッグに厚切りベーコン。カリカリふっくらなロールパンにレモンドレッシングがかかったハーブのサラダ。豪華というほどでははないが、我が子と妻が自分の為に作ったとなれば最高のご馳走だ。バンはうまい、うまいと言いながらあっという間に皿をぴかぴかにした。
     ひとしきり家族団らんな朝餉を満喫したところで、ランスロットはえー、おほん、とわざとらしく咳払いした。
    「可愛いムスコより、お父さんに誕生日のプレゼントがあります」
    「あン? そういやさっきもそう言ってたけど、昨日誕生日やってくれたじゃねーか♪」
    「は? オヤジの誕生日今日じゃん」
     やっぱり誕生日は今日だったのか、とバンは思う。
    「いやでもよ、昨日宴会を」
    「本番は今日だから。はいっ、旅行チケット。俺からのプレゼントな。夫婦水入らずでイチャイチャしてこい」
    「え」
     息子の意外な発言にバンが目を丸くしたところで、妙におとなしくしていたエレインが、ぷわぁ、と息を吐きだし「やっと言える!」とはしゃいだ。
    「ランスったら《さぷらいず》っていうの、ずっと前から計画してくれていたのよ! 私にはちょっと難しかったけど成功ね。でも、私の分まで本当にいいの?」
    「実はおふくろの誕生祝も含まれてるんだ。一か月のんびりしてきてくれ」
    「まぁ……! でもその間、 ひとりで大丈夫?」
    「大丈夫だって、ガキじゃねーんだし留守番くらい。おじさんも何かあったらサポートしてくれるってさ」
    「ありがとう、ランス……!」
     ドヤ顔のランスロットをエレインは感激のあまり抱きしめ、キスをする。そんな中、バンだけが事態についていききれずぽかんとしていた。

    《つづく!》
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    bell39399

    DOODLE遡って読んでくださってる方もいらっしゃるようで本当にありがとうございます!うれしいうれしい😆♥💕🎶
    さてバンエレちゃんは不思議な村に来たようですね!(すっとぼけ)

    所で今回のタイトル(?)の元ネタわかった人はお友達です。
    山奥の村で〜バンとエレインが出会った〜 その22! 丘を超えた先に、唐突に集落らしきものが見えた。大きな岩のモニュメントのようなものが目立つが、それ以外は何の変哲もない村に見える。
    「それにしてもこんな恐ろしく何もねぇ、山奥でよく暮らすよな♪」
    「そう? 森に囲まれたいい場所じゃない」
     エレインの言葉にそれもそうか、とバンは思い直す。そもそも《なにもない度合い》からいうとベンウィックもどっこいだ、と気づいてしまいむしょうに可笑しくなってきた。
    「人間にとっては確かに不便かもしれないわね」
     そんな事にも気がつくようになったのよ! と薄い胸を張るエレインを、バンは考えるより先に抱きしめて頬ずりした。
     ともかく鳥から頼まれた用事もある。二人はじゃれ合いつつ村に入ると、人懐こい笑顔を浮かべた村人が集まってきた。が、なんとも奇妙な雰囲気だ。まず、笑顔ではあるが異様に無口である。バンとエレインの表情は自然と険しくなった。
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