◆ 雷鳴
窓の外が光る。ピカッ、ゴロゴロ。獣の喉が鳴るときみたいな音に、玲王の肩がぴくりと跳ね上がった。空の様子が気になるのだろう。玲王が読んでいた本から顔を上げる。そのとき、俺と目があった。三人掛けはあろうかという大きなソファーの上で、ぴったりと玲王にくっつきながら、玲王の横顔をずっと見つめていたから、必然的に俺と視線がぶつかる。
「……なんだよ」
「別に。レオのこと見てただけ」
「見られてると集中できねぇ」
ぱたんと本を閉じる。本当は雷の音が気になるくせに、俺の視線が煩いから、なんていう理由を口にする玲王が可愛い。
またしても空が光った。玲王の肩も雷の音に合わせて小さく跳ねる。
「カーテン締めてくるね」
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