目が覚めたらそこは異世界で同級生達と一緒に魔王討伐の旅をすることになりました。(1) 「美奈子っ、危ないっ」
背中側から聞き慣れた声、なのにその声はいつになく切羽詰まった様子に感じた。
思わず振り向くと、わたしの目の前で青くぷるぷるした物体が真っ二つに切り裂かれた。
ぴぎゃーと断末魔の叫びをあげて飛び散ったそれの粘着性のある体液がわたしの手や顔に付着する。
「うへぇ、これなに?ぬちゃぬちゃする…」
初めての感覚に戸惑うわたしの両脇から聞こえる声
「美奈子、大丈夫か?」
「ダイジョーブ?」
「あ、玲太くん、実くん──って、えええっ、玲太くん、その格好って」
さっきの青いぷるぷるを断ち切ってくれたのは、間違いなく玲太くんで、顔も声も間違うはずがない。
だけど、その格好は…鋼色に輝く鎧?盾?兜?そして剣?まるでRPGの世界の戦士みたいな格好だった。
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