あの子がワープスター型の宇宙船に乗って、元居た場所に戻ってからどれくらいの年月が流れただろうか………。
あの後一線から退いた私はあの子が初めてやってきた場所の麓に小さな家を構えた。一人暮らしをするのにはちょうど良い大きさの家……。陛下から退職祝いとしてこの家を頂き、その時に部下であったソードとブレイドの二人を安定した収入を得るまで城に置いて欲しいと頼み込んだ。
二人は暫くの間子供達への剣道の講師としてある程度収入を得ていたようで、その後落ち着いた頃に二人同時に城を離れたという。
その二人もどのくらい前だろうか…?生まれた子供達が写っている葉書きを送ってもらったのを最後に連絡は途絶えた。
あれから皆元気にしているのだろうか……便りが無いのは良い便り…。そう思いながら私はひとり庭に出てイーゼルを準備し、その上にキャンバスを乗せる。
1891