記念日今日は大事な記念日、なのにダークは今ここにはいません。
何故なら急に呼び出しがかかり、ドリーム神殿の先の世界にいるそうです。
すぐ帰るとは言っていましたが…。
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最近ダークは「ドリームフレンズ」に選ばれて凄く嬉しそうにしてたんです。
「俺の力が必要なんだってよ、シャドー!しかもフレンズ能力で更に強くなれるらしいぜ!……やべぇな。今すぐ戦いたくてウズウズするぜ…。」
なんて言ってて、ぼくの気持ちも知らないで……って思ってたら。
「しかも、ダメージ受けすぎて退場になっても次までには自然に回復できるんだとよ。しかも途中で他の奴と交代してもダメージは回復するみたいだせ。ま、途中退場は仕方ねぇけどやるには全力で戦うしかねぇよな。」って言いながらソードの手入れをし始めたんだ。
前みたいにバラバラにならないってわかってほっとしたけれど、それでもなんか、怖いなぁ…。
不安になり返事もできずうつむいていると
「シャドー、どうした?……俺が居なくなるのが怖いか…?」
って気づいてくれて…。ソードの手入れを止めてぼくを抱き締めてくれたんだ。
「ダーク……。」
「大丈夫、絶対に戻ってくる。だから安心しろ。」
ダークはそう言いながらぼくに優しいキスをしてくれたんだ。
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にしてもだよ、何で今日だったのかな。
カービィ、今日くらい冒険を休みにしてくれたっていいじゃないか。ぼくとダークの産まれた日なんだよ?君の誕生日は皆でお祝いするんでしょ?…そう思うと何だか狡いなぁ…って思っちゃって……。
せっかく焼いたケーキも、沢山のご馳走も冷蔵庫の中。肝心のダークはいつ帰ってくるかわからない。
…なら、ぼくがダークを迎えにいってあげよう!!そうしたら皆気づいてくれて早く帰れるよね。
そう思ったらいてもたってもいられなくなってワープスターを呼び出して急いでダークの元に向かったんだ。
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プププランドにも、ポップスターにもいなくって、もしかしたら入れ違いになっちゃったかな…と思ったとき、ダークを見つけたんだ!
オレンジからえんじ色に染まった空に浮かんでいるようさいの一番上でカービィとダークの他にメタナイトさんとバンダナワドルディさんと一緒にいて、この後について話していたみたい。
今会いにいかなきや……そう思って近づいていったんだ。
あ!カービィが手を振ってる…。
ダーク、驚いてるなぁ。
メタナイトさん、ダークに話しかけてる…。ダークも嬉しそう…。
バンダナさん、皆の事嬉しそうに見ながらダークに話しかけてる…。いいなぁ……。
何だか急にさみしくなっちゃって、皆がステージに入っていくのを遠くから見送ることにしたんだ。
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行かなきゃ良かった。
ずっと胸の奥が苦しい。
ぼくのいないところであんなに盛り上がってたんだ…。
あれだけ盛り上がってたら…楽しかったら…
すぐに帰って来ないよね…。
しばらく部屋で大泣きしてたら、コンコン、っていうノックの音の後にガチャ。って音がして扉が開いたの。
そこにはダークが立っていて…。
「ひでー顔、してやがる。」って…。
ほんとは色々言いたいことあったんだけど、
また泣いちゃって、ぜんぶ流れちゃった。
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しばらくして落ち着いたら、ダークからあの時の話を聞けたんだ。
『わーい!シャドーだぁ。やっほー!』
『はぁっ!?アイツ…どうしてここまで!?』
『お前に会いたかったのではないのか?』
『にしてもだなぁ……。』
『確かに1人で来たのは心配だが…嬉しくはないのか?』
『…嬉しいに決まってる!』
『…そういえばダークさん、シャドーさんが来たって事は何かあったのですか?』
『ん…あぁ、実は今日はな…。』
『『『ええぇーっ!!!』』』
『何故それを早く言わなかった!』
『そうだよ!知ってたらボク、ダークを呼ばなかったよ!』
『とにかく!ここの戦いを終わらせて次のドリーム神殿をめざしましょう!』
『バンダナのいう通りだ。行くぞ、ダーク。』
『…ああ。』
「…ってな。俺も戦いに必要とされているのが嬉しくて、なかなか言い出せなかった。……ごめんな、シャドー。」
ダークからその話を聞いた後、また沢山の涙が出てきちゃって…。でもダークは何も言わずにずっと抱き締めてくれてた。
…ぼく…カービィや皆にヤキモチ、妬いてたんだなぁ…。
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おもいっきし泣いた後、ダークと一緒に遅めのパーティーをはじめたんだ。
ぼくもダークも準備の段階からニコニコで、それからお腹いっぱい食べて、そして……いつもと同じ優しいキスもたくさんしてくれた。
大好きだよ、ダーク。お誕生日おめでとう。