その手紙の主は 見知らぬ誰かへ。
週に一回、月曜日だけにある音楽の授業の日。一番窓際の席に腰掛けて、机にひっそりと鉛筆で手紙を書く。
それに対して、今まで一度も返事は来なかった。
だが、ある日不意にその手紙に返事が書かれてたんだ!
『今日は晴れ!見知らぬ誰かさんの天気はどうだった?』
『雨だ』
たったの二文字、でも返事が来たのだ。
「し、シルバー……返事が来た‼︎」
「良かったな、カリム」
シルバーがオレを見つめ、オーロラシルバーの瞳を柔らかく歪ませる。そして祝福するように、温かな日差しがキラキラと窓から入り込んだ。
それからは、毎週返事が書かれてあった。
『好きなものはなんだ?オレはココナッツジュース!』
『カレー』
「へ〜、この人もカレーが好きなんだな。ジャミルと一緒だ!うーん、次は何を聞いてみようかな」
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