Happiness after Valentine 二月十五日 朝七時頃
いつもは目覚ましが鳴る前に目が覚める藍忘機はこの日は珍しくけたたましいアラーム音で覚醒した。
頭が重くずきずきと痛い、重たい瞼をやっと開けた途端に襲い掛かってきたのは胸のあたりの不快感。思わず小さく呻いた。
体がいつになくだるい、風邪とも違うこんな感覚は初めてだ。
横を見れば腕にしがみついた魏無羨は一糸まとわぬ姿で夢のなかで、むにゃむにゃと何事かをつぶやいている。
一糸、まとわぬ姿?
「?!」
藍忘機は彼の姿に目を見開きがばっと起き上がった。
響く頭の痛みに額を抑え、胃の辺りからむせ返る感覚をぐっとこらえて、掛布をめくって魏無羨を見れば裸で滑らかな白い肌には見覚えない真新しい噛み跡とうっ血の跡がある。
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