読み切り #10 タオルドライ 脱衣所で鈴木がシャツのボタンを外していると、シャワーブースの一つが開いて、青木が上がってきた。
「お疲れ様です!」
人がいると思っていなかったのだろう。青木は丸出し無防備だった。が、鈴木に元気に挨拶しながら、さり気なくタオルで隠す。
えらいえらい。薪に比べれば大変によい子である。
鈴木は一人心の中で頷く。
薪の無防備ぶりを知らない男は科警研にいない。隠す素振りすら全く見せない男っぷりなのだ。警察大学校時代に発覚した悪癖である。
少しは周りの迷惑も考えて、恥じらいを身につけて欲しいところなのだが。この件は鈴木ですら匙を投げている。
「俺の次の休憩は鈴木さんでしたか。」
乾いたタオルを取り出す青木の裸を、鈴木はついつい観察してしまう。
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