その日は今も色鮮やかに秋は何故短いのか。
僕のその疑問は、都会ではどうやら地球温暖化や気候変動といった言葉で説明されるらしかった。酷い言い草だ。それだとまるで地球自身が進んでそうした変化を遂げているようだ。自分達の手で多くの自然を淘汰して地表を文明で覆い尽くした末路がこれだというのに。
僕の不審をよそに説明を続ける教師の顔つきはこれもまた他人事で、どうしてこの人はそんなに平気な顔をしているのだろうと不思議だった。だって僕にはどうにも、今まさに人類を追い詰めているという環境の変化は、物言わぬからと身勝手に淘汰された自然からの報復のように思えたのだ。
教師はそんな僕の話を大袈裟だと笑って、僕を変わり者だと言って、まともに取り合ってはくれなかった。僕は責任の所在と、都会の人々が自然への畏敬を失った経緯を知りたかったのに。
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