ミスターウィング過去編 プロローグ&第1話ある少女は好奇心を抑えられなかった
抑えられず、開いてしまった
開けてはいけない禁断の書を
★
"天上の月水面照らす その姿は万華鏡
どうかその光で 私を解いてくれ"
「……さて、歌はここまでにしておくか。」
浅緑色の髪にパライバトルマリンのような青緑色の服を着た少年ミスターウィングはそう言って先程まで寄りかかっていた大木から離れ自宅へと戻る。
その道中、何者かが話しかけてきた。
「ミスターウィング。今、風詠島(かぜよみじま)の偵察から戻ってきたぞ。」
その人物は行商人のような姿をした男だ。
「あ、おじさん!どうだったんだ」
「それがな、島に上陸出来なかったんだよ。」
「なんだと?見張りが大勢いたのか?」
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