The Point of No Return 回帰不能点〜ダイ酒場兼宿屋は夜になってもざわめきが消えない。
人里離れたデルムリン島育ちのダイが人の気配の濃厚さに気疲れしているのを悟ったポップはダイに先に風呂へ入れと促した。
カラスの行水ですぐ部屋に戻ったダイと入れ替わりにポップが一階の風呂に行くと、ダイは寝る前の準備として二人の荷物をすぐ持ち出せるようにそれぞれのベット上の足元に置いた。
それは二人がデルムリン島から冒険の旅にでたときからの習慣だった。
不思議なことに魔王軍に夜襲をかけられたことはほとんどないが、野生動物や凶暴化したモンスターに襲われたことは何度もある。
ダイが相手を剣で切り払えば返り血で服や荷物が汚れるし、ポップがうっかり最近出力が上がり続けているメラを放とうものなら山火事になりかねない。
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