サヨナラといつかの明日「…ごめんナシラちゃん、もう君とは会えないんだ」
彼の口から零れたその言葉は、
まるで死刑宣告のようだった
雨の降る森の中
湖畔の近く、大きな木の下に2つの影があった
「ラ、ラディスさん…っ、それは、どういう意味ですか…?」
頭一つ分上にある彼の顔を見つめ、
ナシラは戸惑いながら言葉を発する
「…そのままの意味だよ」
意味を問われ、困ったように笑うシドラディス
彼のその表情から、ナシラが意味を汲み取ることはできない
ぐるぐると色々な考えが頭の中を巡る
もしかして怒らせてしまった?
何か邪魔をしてしまった?
酷いことを言ってしまった?
それとも
ボクを、嫌いになった?
そう考えた途端、涙がボロボロと溢れた
「ナシラちゃん…」
「ラディス、さん…っ、どうして……なんで?」
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