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    shizuka_shi

    @shizuka_shi

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    shizuka_shi

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    シャルぐだ♂
    夏祭りの待ち合わせ。

    無自覚に日も落ちた夕闇の中で一際明るく賑やかな境内。
    神社のあちこちには一時的な電灯や提灯が置かれ、石畳の両端には出店が立ち並ぶ。その間を大勢の参拝者が楽しそうに出店を覗いたり、おしゃべりをしながら歩く。
    いつもは静かな神社もこの時ばかりは活気に溢れてる。
    立香は鳥居手前の人の邪魔にならない端でそれを見ていた。
    近所の神社のお祭りがあると知って、何人もの相手から誘われたが一度くらいはと、全て断ってしまった。そして自分から誘ったのが、
    「ごめん、待たせたか?」
    駆け足で立香のもとへとやって来たシャルルマーニュだ。
    Tシャツにジーンズのラフな格好だが、私服自体見慣れないものだからなんだか眩しく見えてしまう。
    そして立香も。
    明るい灰の縦縞の浴衣に紺の帯を結んだ私服よりも珍しい姿だった。
    「それ、浴衣ってやつか!」
    くるりと周りを一周する輝く視線が痛いくらいで少し照れてしまう。
    君と一緒に出掛けるんだからと気合いをいれましたなんて言えないし、気付かれるのも恥ずかしい。
    何か言われる前に立香は言う。
    「どう、似合う?」
    自信満々に見えるように言えばいつものようにカッコ良い!と返してくれるだろう算段だ。
    シャルルマーニュは思っていた通りの満面の笑顔で返す。
    「ああ、かわいいぜ!」
    「でしょ!」
    いつも通りの返事だとそれに乗って返したが、一瞬立香の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
    あれ、いつもとなんか違った気がする。
    おかしい部分について考えたいが、シャルルマーニュが「早く行こうぜ!」と立香の手を取って引っ張るため、すぐに違和感を覚えたことなど頭から抜けてしまう。
    鳥居を抜けて神社の中に入っていく二人の姿は、格好こそ違うもののいつも通りのものだった。
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